国から支給される大豆で味噌や醤油を作り、県に納めるという統制経済のため、経営難は相変わらず。
「たまり醤油を使って、漬け物とかつくだ煮を作ったらどうか?」と提案する桜子。
達彦も賛成します。
ある日、東京から薫子が訪ねてきました。
初めて書いた小説が文芸賞をもらい、次回作のために取材に来たのでした。
「ここには、兄との思い出がいちばん残っとるから」
「小説家になる夢を貫いたんだね。よかった

達彦は、「夢を貫いた」という桜子の言葉に、はっとした顔をします。
桜子は薫子に影響され、久しぶりにピアノを弾いてみました。
達彦は、店が忙しくてピアノに触る時間も取らせてあげられなかったことを詫びますが、桜子は「夫婦で水臭い。何言っとるの」と取り合いません。
桜子は帳場に戻ります。
達彦は、桜子の作曲した曲を弾いてみます。
何か思うところがあるようです。
翌日、「味噌屋の会合がある」と名古屋へ。
ところが、次の日。
別の味噌屋から電話があり、そんな会合はないと知った桜子。
野木山に「どういうこと?」と聞くと、「いや〜その〜嘘つきになりたくはない…」とゴニョゴニョごまかそうとします。
そこへ達彦が帰宅。
「達彦さん。味噌屋の会合に行っとらんかったんだね。一体、どういうこと?」
達彦が言い訳を始めようとすると、野木山が気を利かして、
「男には一つや二つ、隠し事はありますよ」と言い、桜子をますます怒らせてしまいます。
「やめてくれよ、野木山さん。それじゃ、まるで俺が間違いでも起こしとるみたいじゃないか」
「ちゃんと話してみりん。一体、何?」
問い詰められた達彦、とうとう白状します。
東京で西園寺先生に会っていた、というのです。
達彦は、桜子が作曲したものを発表する場が持てないか相談してきたのでした。
桜子は「そんなおこがましいこと! 先生に電話して謝るわ」と言いますが、達彦に「俺が誰のために頭を下げたと思う? 俺の面子をつぶさんでくれ。ともかく、先生の返事を待とう」と言われ、電話することを諦めます。
数日後、西園寺先生が山長を訪れます。
「主人が勝手なことをして、申し訳ありません。ご迷惑をお掛けしまして…」
桜子が謝ると、西園寺先生は
「迷惑なんて、とんでもない! どの作品も素晴らしい出来で、これを埋もれさすのはもったいない。ぜひ、発表させてください」
桜子は、驚きと嬉しさで声が出ません。
「ただし、条件があります。この作品は、あなたが弾いてください。あなた自身の演奏会を開きませんか。松井桜子の演奏会を」
突然の西園寺先生の申し出に、不安そうに眉をひそめる桜子。
さあ、なんて返事をするのかな?
…って、知ってるんですけどね(笑)
今週は、今まで暗かった分を取り戻すかのように、明るい話題が目白押しで嬉しいです。
達彦さんの髪型が坊主じゃなくなったのも、嬉しいです
